2023年春分の酒丸。

2023年春分の酒丸。

 2023年の春分が過ぎた金曜日、酒丸です。
この2週間で一気に暖かくなり、
もう春から初夏の気温になりましたね。
ウチの庭では、
花桃が一斉に花を付けています。

「花桃」という種類、
桃でありながら花を鑑賞する樹木。
1本の木から、
白~淡いピンク~濃いピンクの花が咲きます。
こういった咲き方を「源平咲き」というらしい。
源氏と平家が一緒になってる、みたいな意味合いでしょうか?
後1週間くらいは楽しめそうです。



 さて今日は…そんな源平咲きみたいなトラウザーズの話を。

昨年、名古屋のヴィンテージ屋さんで、
ちょっと珍しいトラウザーズをゲットしました。
それがこれ。

Leeのランダムヒッコリーのワークトラウザーズ…
かと思いきや、なんと2タックトラウザーズ。
そう、Leeというワークブランドが企画生産したスポーツウエア。
しかもワーク系素材でドレッシーな2タック。

大文字のLと同じくらいの大きさのe、
1950年代の代表的なディテールです。
この時代はアメリカという国自体が裕福になって…
老いも若きも、
皆エレガントなスポーツウエアを纏った時代でした。
(のちに、ロカビリースタイルに繋がっていく!)
なのでワークウエアブランドも、
こういったアイテムを作ったんですね!
私自身、初めて見ました。
当時LEVI’Sはいち早く…
ワークウエアから、
若者向けのカジュアルスポーツウエアブランドへと転身しています。
なので主力の501ジーンズの他に、
ブロークンデニムを使った2タックトラウザーズや、
そのジャケットであるショート丈のリブジャケットなども作っていました。
が、まさかLeeが2タックトラウザーズを作っていたとは!

細かいディテールを検証してみます。

TALON(タロン)のNo.3セミオートマティックプレスジッパー。
1950年代を代表する、
カジュアルなボトムに使われたジッパーです。
おそらくLeeは、
この時代にこのジッパーを一番使用したメーカー。


ぶっといベルトループはベルト帯で挟み込み。
これは当時流行していたベルトが総じて細い事から、
こういった作りが多かったのです。
そして素晴らしいのは、このコインポケット!
なんと玉縁パーツが無い、いきなりの折込みコインポケット。
しかもタックごと巻き込んでいます。
この作りは、ワーク系の素材に長けた工場でないと綺麗に作れません。
いや~、当時のLeeは良い仕事をしてますね!
こんな「ワーク系」と「ロカビリー系」の源平咲きなトラウザーズ
眼福のひと品でございました。


 そこで。
21世紀の天邪鬼ブランド、
ドライボーンズとしては是非コレを再現してみたい。
そして今の日本はワーク系とロカビリー系が源平咲きしているような、
双方にニーズがある稀有な時代。

そこで、まずはチノクロスで2色展開。

題して、2タック・ワークトラウザーズ

ちょっとロカビリー色が強いブラックと…

ワーク…というよりミリタリー色が強い、カーキ。

ヴィンテージと同じくぶっといベルトループ。

ただし、現代のベルト事情に合わせて…
帯ベルト幅は52mmとしました。
ヴィンテージみたいに40mmにしちゃうと、
入らないベルトも多くなっちゃうので。
ベルトループの形状、縫い付け方もヴィンテージを踏襲。

前開き部分。

ジッパーブランドはタロンではなくYKKながら、
同じくNo.3のセミオートマティックプレスジッパー
第一ボタンは4つ穴ボタンクロス掛け。
質実剛健さをアピール。

コインポケット。

ヴィンテージと同様に、
玉縁パーツが無い、いきなりの折込みコインポケット。
しかもタックごと折り込んでみました。
1950年代のLee縫製工場で働いていた人に褒めてほしい。

内側に個性爆発。

マーベルト、ポケット袋地共にストライプスレーキ。
1950年代のトラウザーズを意識して、ちょっとドレッシーに。
そして内側にサスペンダーボタンを装備。
太い渡り幅のトラウザーズの場合、
サスペンダーで吊って穿いた方がシルエットが綺麗に出ます。

入荷後すぐにドドドッと売れ始め…
オンラインショップに掲載した頃には、
サイズ欠けが始まってしまいました(すみません:汗)
ただいま鋭意追加生産中(たぶん)。
そしてなんと!
1950年代にLEVI’Sが使っていたブロークンデニム似のデッドストック生地が、
少量発見されました!
コレも現在、鋭意生産中。
もうしばらくお待ちくださいまし。



 先日、地元でちょっと面白い風景があったのでパチリ。

私は都内から館山にUターン移住したので、
この言葉遣いに違和感たっぷり。
都内(というより大半の地域)では「燃えるゴミ」と書きます。
「燃せるゴミ」って…
変換で出てこないw
この写真をSNSでアップしたところ、
意外なほどに盛り上がる!
地元民が気付いていない方言でしたw
ではまた!

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