2023年夏至の酒丸。

2023年夏至の酒丸。


 2023年の夏至が過ぎました。
酒丸です。
東京国立博物館で始まった、
「古代メキシコ展」を観に行ってきました。
館山市を早朝に出てのバスツアー、弾丸日帰りです。

実はワタクシ、
アメリカ大陸中南米文化が大好きで…
三十代の頃にメキシコに旅行に行った事があります。
メインはティオティワカンピラミッド見学だったんですが…
お勉強としてメキシコ人類博物館にも行きました。
ミル・マスカラスの元ネタとなった仮面も見てます。
また、夕刻からはマリアッチを聴きに行ったり、
ルチャ・リブレを観に行ったり。
日本で言うお盆に当たる「髑髏の日」のお土産を買ったり…
大満喫しました。
しかも、
行きの飛行機がダブルブッキングで勝手にアップグレードしてくれて、
エコノミー価格でファーストクラスに乗せてくれました。
良い思い出。
そして今回の目玉は、コレですよ!

通称「赤の女王」!
発見されたのは1990年代。
歴史学的にはつい最近です。
西暦600年代の女王が、
約1400年間も棺の中で眠っていた訳ですよ。
しかも、水銀朱(と言う顔料)で覆われて。
マスクは翡翠と黒曜石、
その他のアクセサリーも精巧に細工された翡翠や貝で出来ています。
ものすごいクオリティ。
他にも物凄い展示物がたくさんあったんですが…
後半に出てきたコレで、
全部記憶が塗り替えられちゃいました(写真撮っておいてよかった)。
みなさんも、ぜひ。


さて、そんな訳で…
今日はメキシコを含めた中米文化のファッションについて。

 まず、冒頭を飾るのはこの方。

そう、みんな大好きレイ・リオッタ。
しかも、グッドフェローズでのワンシーン。
フロリダのリゾート地にしけこんでる時のカット。
グッド・フェローズといえば…
襟が極端に長いドレスシャツが代名詞ではありますが…
主役級のレイ・リオッタは、
一瞬のワンシーンでこんなにかっこいいスタイルを見せてくれます(さすがスコセッシ監督)。
彼が着ているのは、いわゆる「キューバシャツ」。

さてここでまずは、キューバシャツの勉強です。

キューバとは、ここです。

フロリダ半島、マイアミの先。

メキシコの隣でもあります。
キューバシャツとは…
もちろんキューバで着られていたシャツの事。
暑い国なのでジャケットではなく、
ジャケットの様な機能(ポケット等)を持たせたシャツ。
ところが…
キューバシャツは、
むしろキューバよりもメキシコで有名になりました。
単純に人口が多いと言うこともあるんですが…
メキシコで冠婚葬祭時の礼服や官庁の制服に使われ、
1970年代以降には莫大な量が流通したのです。
なので古着屋さんにも、
綿ポリ素材のキューバシャツがたくさん見られるようになりました。

キューバではかなり古くから着られていたらしいのですが…
それをメジャーにしたのは、
実は1950年代のロックンロール文化なのです。
それがこれ。

いわゆる「ナッソー・ジャケット」です。
こっちの写真の方が分かりやすいかな?

キングであるエルヴィスを筆頭に、
数多くのロカビリアンが衣装として着たナッソージャケット。
通称は「カーメルジャケット」とも言いますが…
このジャケットの元ネタこそ、キューバシャツなのです!

そこでまたしても地理の勉強。

ここがナッソー。
キューバとマイアミの間にある、リゾート地。

1950年代、
金持ちアメリカ人の避暑地として栄えたマイアミ。
更に持て囃されたのが、
ナッソーアイランドでありナッソージャケットだったのです。


1950年代のナッソージャケットは…
キューバシャツのディテールを上手に消化したジャケットでした。
胸や背中心にボックスプリーツが入り…
腰と胸に左右対称にポケットがつきます。
キューバシャツと決定的に違うのは、
ジャケットなので長袖になった事。
そしてもうひとつは、
1950年代なので素材がレーヨンギャバディーンだったのです。

ドライボーンズとしては、
この1950年代のナッソージャケットを叩き台としつつ、
酷暑を迎える日本で着られるように、
半袖で夏素材にして企画してみました。

まずはこちら。
リネン・キューバシャツ!

清涼感溢れるリネンファブリック。
粗く織られた生地目は通風性が高く、
正に夏の王道素材。

ナチュラルとチャコールの2色を用意しました。

そしてお次はこちら!
ネッププリント・キューバシャツ!

形は上記と同じながら、素材がコットンなので扱い易い。

縦横無尽に走るネッププリントが、
実にフィフティーズっぽい逸品。

最後は変わり種のこちら。
キューバシャツ「パイナップル」!

総柄でパイナップルのプリントが入ります。
素材はコットン、
ドビー織機で織られたレース感がある織り。

ボックスプリーツにパイナップルプリントと、
南国の雰囲気たっぷり。

以前からドライボーンズのキューバシャツを求めてくれていた固定層のファンは勿論の事…
キューバシャツ初心者の方も選べる様、
今年は3パターンも用意しました。
今年は暑くなるのが早そうなので、お早めにどうぞ。


ブログ最初に書いた東博の古代アステカ展。
敬意を払って、
私はメキシコ柄の長袖ハワイアンシャツで。

ホントは30年以上前に作ったルチャ・リブレ柄を着て行こうと思ったんですが…
思いの外小雨で涼しかったので、長袖にしました。
長袖のハワイアンシャツ、好きなのです。

ではまた。
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