2023年白露の酒丸。

2023年白露の酒丸。


 9月8日からは、二十四節気で言う「白露」。
白露とは、草花に朝露が付いて白く輝いて見え始める頃。
今日は日本に台風が上陸しますが、
明日以降は一気に涼しくなる予感。

それとは別件で…
うちの庭で起こった交代劇を記しておきます。

ちょっとガラスに映り込んだ本棚で見え辛いんですが…(汗)
写真右上に写ってる黒い猫は、
うちによく来るハチワレと命名された野良猫。
一方左下には、
最近来る様になったタビーという名前のサバとら猫。
ハチワレは体格も良く、
ウチの餌場ではお代わりするくらいの大食漢だったんですが…
この日、私がいつもの様にお代わりを皿に出したところで、
新参者のタビーがのっしのっしとやってきました。
2杯目の餌を食べようと思っていたハチワレは、
タビーの姿を見て固まってしまい、
そっぽを向いています。
そしてハチワレを睨むタビー。
タビーの方がひと回り大きくて、顔もデカい。
やがてハチワレはひと口だけご飯を食べて、
どこかに行ってしまいました。
タビーは残りの大半を平らげ…
その後は毎日ウチの周りで昼寝する様に。
今までのボスだったハチワレから、
タビーに代替わりした瞬間でした。
猫界も色々と大変。


 さて、そんな訳で(どんな訳?)...
今日は入荷したての新作ジャケットをご紹介。

まずは全体のフォルムを。

ブロークンデニムというちょっと変わったデニムを使って、
チョア・ジャケットを作ってみました。

まずは「チョアジャケット」とはなんぞや?
からお答えしていきます。

ここ数年で名前が定着しつつある「チョアジャケット」。
以前ならワークジャケットとかオーバーオールとか言われていた形です。
ワークジャケットならばもっと広い意味で「働く時に着る上着」であり、
オーバーオールはどちらかというと専門職用ワークジャケットです。
レイルローダー(鉄道作業員)オーバーオールとか。
そしてこのチョアジャケットとは…
主に自宅でのちょっとした軽作業時に羽織るジャケットとして、
作られてきた歴史があります。
なので着丈が短く作業し易い。
また、何かに特化したポケットも無い。
そして1940年代以降にはほぼ絶滅してしまいます。
つまり、1930年代以前に存在していた形なのです。
当然、約100年以上前のモノなので現存数も少なく、
今では絶滅してしまった様な特徴もあるのです。

まずはこれ、チェンジボタン

本来のチェンジボタンとは大半が金属ボタンです。
それはなぜかと言うと、
洗濯時に金属が服地に当たって裂けてしまうことが多かったからです。
ところが、1930年代以前には、
こういった尿素ボタンにもチェンジボタンが存在していました。
なぜかと言うと…
今とは洗濯方法が違うのです。
もちろん洗濯機はあったのですが、
脱水時にはローラーで絞っていたんです。
この為、ボタンを潰してしまいがち。
なので事前にボタンを取り外してから洗濯する事が当たり前だったのです。

裏側には二重環が付いています。
ボタンを菊穴に通し、
裏から二重環で留めていたんですね。
ちなみにこれは私物のヴィンテージ、
スィートオールのワークジャケット。


作りは全く同じ。
この様な作りのボタンは、
戦後の洗濯機の進化により絶滅したモノなのです。

 そしてもう1か所、
紳士服として楽しんで変更した部分を記しておきます。
それがここ、襟裏

まだ手仕事が多かったこの時代のジャケットの襟裏は、
表襟よりも若干薄い生地にしている事が多いのです。
LEVI’Sのジャケットも、
襟裏やフラップ裏は表地より薄いデニムを使って返りを良くしています。
1960年代以降、
大量生産化によって失われてしまった手間と言えるでしょう。
逆に襟裏に個性を持たせているブランドもあります。
一例が英国発のポール・スミス。
彼が作り出すジャケットは、
襟裏のカラークロスにオリジナルレインボーストライプをあしらっています。
あれがブランドの主張となってカッコいい。
元々英国ビスポークの世界では当たり前にあった「個性の出し方」。

そこで私も、
チョアジャケットの襟裏で遊んでみました。
カラーヒッコリーストライプを採用し、
ワークジャケットながら個性的に見せてみました。

更には、同じ素材を内ポケットにも採用。
元々チョアジャケットは自宅での軽作業用なので、
ポケットが少ないのです。
ならば個性的なワーク素材を、
内ポケットに使ってみようかな、と。

素材はブロークンデニムという、
ちょっと変わったデニム。
洗い込む度に色落ちをしていくのは通常のデニムと同じですが、
縦落ちとかじゃなく、ランダムに色落ちしていきます。
これもこの素材の面白さ。
敢えてステッチは地色にしたので、
ワーク感は控えめです。
なので最初はかっちり着て、
色が落ち始めてきたら着倒す様にしてみて下さい。
何重にも楽しめる素材であり、ディテールだと思います。


そして別件で…私からの個人的な報告です。
実はワタクシ、この度…

食品衛生責任者の講習を受けてきました!
飲食店をやる訳ではないんですが…
食品加工業者になろうと思っているのです
(ドライボーンズデザイナーと二足の草鞋)。
この講習を受けたのが約2週間前。
その後、色んなお役所(保健所とか安房農業事務所とか)仕事を進めております。
ブランドステッカーや品名表示ステッカーも自作し、
やっとなんとか試作まで辿り着きました!
その写真や詳細はまた後日。
許可を取るのがすげ~大変だった(汗)

ではまた!

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