2024年立夏の酒丸。
2024年の小満を迎えました。
酒丸です。
「小満」とは…
あらゆる生命が満ち満ちていく時期の事。
太陽の光を浴びて、
万物がスクスクと成長していく季節です。
そしてその証拠写真がこちら。
先日、庭の角の草刈りをしたら…
榊の木の下に、大きく手を広げたような草が。
近付いて見てみたら…
間違いない、アシタバ(明日葉)だ!
しかも、新芽が出てきてる!
アシタバとは、八丈島など離島の山菜。
なぜウチの庭の片隅で生えているのか?は謎。
ありとあらゆる生命が満ち始めております!
という訳で…
新作も生命が満ちているアイテムが入荷!
ステップリボンのブレードハット!
まずはブラック。
ステップリボンとは、
ハットに巻いてある三段折のリボンの事。
ブラックにはベージュ地にレッドとネイビーのレジメンタル。
そしてナチュラル。
こっちのリボン色は、
グレー地にグリーンとカーキのレジメンタル。
内側はどちらにもレザーの革滑り、
そして後ろ中心にはグログランの留め房が付きます。
王道の高級紳士用ハットの出立ち。
実はこのハットの企画には、
元ネタがあります。
それがこれ。
ちょっと映画のタイトルは忘れちゃったんですが…(汗)
アメリカの某刑務所のアコギな所長役、
囚人を虐めたり、
国からの補助金を掠め取ったりしている悪いヤツ。
でもハットがカッコいい!
なぜこのハットがカッコいいのか?緻密に考えてみました。
まずこのハットリボン。
映画の小道具として使われているハットのリボンは、
おそらくレーヨンのグログランテープ。
ハットに付けるリボンは、
体温で伸縮する帽体に合わせて伸縮する事が求められます。
なので素材はレーヨンやシルクなど素材が限定されます。
こんな鮮やかなグログランテープは、
まず日本国内では見つからないので…
オリジナルで別注するしかない。
でも、シルクやレーヨンの先染めグログランテープは、
糸の染色から手をつけなければならないので、
ミニマムで数万メートル。
いち弱小メーカーとしては、
絶対に不可能なミニマム。
ところが。
ふとジャケットの企画をしていて裏地のチェックをしていた時、
ハタと閃いた。
ジャケットの裏地に使う「ストライプ袖裏」ならば、
流用できるのではないか?
素材もキュプラで、
レーヨンと同じく再生繊維。
滑りを良くする為のサテン織なので、
グログランテープの様な光沢感も出せる。
そして何より、
ウチにはステップリボンを作れる職人集団という背景も持っている!
このステップリボンのサンプルが完成した時、
歓喜しちゃいました。
更にこの映画のハットを見ていて気になった事。
それは帽体の形が、
ウチでは過去に作った事がない形状。
写真を見てもらうと分かるかもしれませんが…
リボンからトップまで、ほぼ直上。
本来ならここは緩やかにトップが狭くなっているはずなのです。
モンゴロイドとアーリア人の骨格の違いから来る、
帽体用木型の違い。
なので、そういう帽体を探すところからやってもらいました。
そしてついに発見。
昭和の遺産である、
工場に眠っているたくさんの帽体の中から一番近い形状を探し出してもらいました。
それを使って型ハメした帽子のシルエット。
リボンからトップまで、ほぼ直上。
もう、猛烈にカッコいい。
映画のワンシーンながら、
今回のこの新作作りはたくさんの勉強になりました。
35年もメーカーを続けていても、
日々新発見ばかりなり。
さて。
冒頭で書いたアシタバ。
収穫してみました。
一番メジャーな料理は「アシタバの天麩羅」ですが…
自宅でこの為だけに揚げ物をやるのは忍びない。
なのでさっと湯掻いてワサビとマヨで和えてみました。
ほんのちょっとにしかならなかったのですが、
猛烈に美味しい。
自宅で収穫できる山菜、
また楽しみがひとつ増えました。
ではまた。