2025年白露の酒丸。

2025年白露の酒丸。


 2025年の9月。
白露を明後日に控えた5日の金曜日です。
白露とは、
秋の野原に降りる「しらつゆ」のこと。
大気が冷えて野原の草に露が出来る時期なんですが…
今日はものすごい雨量の台風が通過中(汗)
そんな日は部屋に篭って映画三昧だったりします。
先日は久しぶりに…
「さらば青春の光(原題:Quadrophenia)」を鑑賞。

なので、今日のブログはこの映画の衣装から。

 

 映画「さらば青春の光(原題:Quadrophenia)」とは…
1979年のイギリス映画。

時代設定は1964年。
主人公のジミーが所属する不良グループのモッズと、
敵対するロッカーズの抗争(この件は実話)を中心に描いた映画。
私が初めてこの映画を観たのはまだ十代の頃。
モッズ、ロッカーズ、どちらのファッションにもシビれたし憧れました!
だけど今回のブログに関しては…
ロッカーズについては触れずに、
モッズチームが羽織っている、
通称「モッズコート」について考察。

 ジミーはデコレーションランブレッタに乗る際、
基本的にはモッズコートを羽織ってます。
インナーがフレッドペリーの半袖ポロだろうが、
オーダーで作り込んだであろう細いラペルのスーツだろうが…
基本的にはモッズコート。
このモッズコートという名前、
おそらく日本ではこの映画が発祥だと思います。
それほど影響を与えた映画、凄い。
そしてこのコートの正式名称は「PARKA SHELL M-1951」。
ジャケットでもコートでも無く「パーカ」なのです。

1960年代前期、
イギリスでは米軍放出品(サープラス)でこのM-51が比較的安価で買えたはず。
オシャレしたいモッズ達は、
スーツを2ストのスクーターから出る排気ガスから守る為に、
着丈が長く全身を覆えるこのパーカを選んだ筈。
非常に理にかなっているのです。
映画の中の時代設定は1964年。
だとすると、当時のモッズたちが着ていたモッズコートとは…
絶対にM-51パーカしかあり得ないのです。
その証拠に、映画の中では全てのモッズコートが
「身頃とパーカが一体型」であり
「エポレット付き」なのです。
このパーカシリーズ、
実はアメリカ陸軍では、
1951年のM-51から始まって、
1965年のM-65まで作られています。

(このフードについているファーはアクリルで硬くて痛い)
また、M-51の寒冷地用フードライナー(コヨーテファー)などもあり、
組み合わせ次第では様々なバージョンが存在するのです。

 これが、私が所有するモッズコート。

身頃はパーカがセパレートになるので、M-65。
更にライナーはナイロンリップストップなのでM-65用。
パーカ部分はコヨーテファーなのでM-51寒冷地用フードライナー。

身頃とフードで生地が違う事、わかりますかね?
この様に混在したり組み合わせたりして売られているので、
訳が分からなくなってしまう(調べるのが大変だった:汗)

個人的にこのパーカの好きな部分は、ここ。

ライナーを袖の内側に付けても曲げ伸ばしし易い様に、
アウターシェルの袖部分にタックが入っているのだ!

そしてこのヴィンテージを元に、
2020年にドライボーンズが作ったのがこれ。


私が持っているモッズコート同様、
このシリーズの良いとこ採りをした逸品となりました。
着脱可能なパーカ、
パーカについた柔らかなフェイクファー(コヨーテに寄せてみた)、
更には極寒地用のパイルライナーを装備。
私なりに考えるパーフェクトな「モッズコート」として完成しました。

 そしてあれから早5年。
「さらば青春の光(原題:Quadrophenia)」を観ていて…
主人公ジミーを始め、
モッズたちの憧れの存在であるエースが気になりました。

ジミーの隣の隣、
モノクロ写真では分かり辛いけれど、
ワインレッドのレザーコートを羽織るエース(スティングが演じている)。
みんなの憧れであり、
落ち着いている雰囲気のリーダー格、エース。
だからこそ、
ワインレッドのレザーコートだったんだと思うのです
(他のモッズ達との差別化)
彼は最終的に、
客に媚びながら一生懸命にベルボーイとして働いている現場をジミーに見られてしまいます。
そしてジミーにクロームメッキのデコレーションヴェスパを盗まれ、
ブライトンの崖から落とされてしまいます。
このシーンは「ジミーの、青春(という名の子供時代)からの別れ」として象徴的に描かれています(ここで「さらば青春の光」というタイトルが効いてくる)。

でも、冷静に考えてみましょう。
エースは、モッズ達からリーダー格として扱われながらも、
自立して立派にベルボーイで働いている。
生意気な子供であるジミーにヴェスパを盗まれて壊されて、
散々なのです(ああ、可哀想なエースとヴェスパ)。

私なら…
ワインレッドのレザーコートなんて着て、
落ち着いた雰囲気なんて出しません。
舐められたくないから。
そんな時、どんな「モッズコート」なら効果的?


ジャーン!
DJ-1203 Fish Tail Shell Hoodie!!!
2025年のドライボーンズが提案するモッズコート!
それはカモフラージュパターン!
軍物感、ソルジャー感が満点!
コットンナイロン混紡で撥水加工付き
そしてカモフラはウッドランドパターン!

なのにちゃんとフィッシュテイルフーディー!

パーカが取り外せるので、
バイクにも乗り易い(ヘルメットを被り易い)!

そしてそして、袖のタックも健在!

今回はライナーが無いので…
前回(2020年度版)のモッズコートのライナーが、
ぴったりと合う様に作りました(もちろんヴィンテージのライナーにも合うサイズがあります)。

モッズくん達は勿論のこと、
バイク乗りやレインコート、
はたまたドレッシーなシーンでの「はずしの」コートとしてもバッチリ!

デッドストック生地の為、
生産数が少ないのが玉に瑕(汗)
お早めに!

 

 更にもう一話、映画ネタを。
最近、こんな映画も観ました。

コカイン・ベア。
ネタバレになるのでちょっとしか書きませんが…
ギャングがこっそり密輸した薬物を山中にばら撒いてしまい、
それを喰った熊が大暴れするというコメディ・スリラー。

コメディ・スリラーというキャッチコピーも面白いんですが…
なんとこれ、実話を元にしているらしい(驚)!
しかも、ギャングのボス役がレイ・リオッタ
なんとこの映画が遺作となったらしいです。
かなり面白い(グロだけど)ので、
ぜひ観て欲しいんですが…
ちょっと昨今の日本の熊騒動を考えると笑えない。
コカインなのかメガソーラーなのか?
の違いだけな気がするのは、私だけじゃ無いはず。

ではまた!

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