2025年の立春を過ぎて、もう十日ほど経っちゃいました。
立春の前日が節分と決まっているので、
今年の節分は2/2になったんですね。
本来ならこの立春から雨水にかけて徐々に暖かくなるはずなんですが…
今年は10年に一度の最強寒波が襲来。
毎日、本気で寒い…。
地元では少子化の影響もあって、
私が通っていた幼稚園が閉園になるそうで…
写真展を観に行ってきました。
私が幼稚園児だった頃は、
児童数が増えたので新しく大きな幼稚園に引っ越しました。
中学生でも同じ様に新しい中学校に移転。
それが今は児童が少なくなって統合や閉園が相次いでおり。
時代は絶えず変化していますね…。
そんな中、100年近く前のスタイルを踏襲した3ピースが入荷。
なので今回は、それをご紹介。
太畝コーデュロイの3ピースセットアップ、
まずはジョッキージャケット。
そしてジョッキーベスト。
3つを揃えで着るとこんな感じ。
ブラウンと…
ブラック。
生地は太畝コーデュロイ、8ウェル。
コーデュロイという生地を縫製する場合、
基本的には「逆目」と言って、
撫でて手が引っかかる様に上下逆に裁断・縫製します。
そうする事で発色がマットになって綺麗。
また、生地自体も長持ちします。
当方スタッフが3ピースを着た感じがこれ。
フォブチェーンが憎いですね!
ではまず、ジャケットの説明から。
ノッチドラペルの4つボタン。
中2つ掛けが一般的な着方ですが…
上3つ掛けてもかっこいい。
一番下さえ掛けなければ問題ありません。
なぜ一番下は掛けないのか?というと…
本来こういったジャケットは一番下のボタン位置には、
ボタンが無かったのです。
ただの飾りボタン。
このジャケットの名前は「ジョッキー」ジャケット。
ポケットフラップ脇辺りから、
ぐっとカーヴして裾回りに繋がるフロントライン。
この様に大きくカーヴしたフロントラインをカッタウェイといいます。
本来ならば、モーニングに使われるドレッシーなフロントデザイン。
かなりクラシックなディテールで、
後々は馬に乗る人達に好まれたデザインなので、
「ジョッキージャケット」というネーミングになりました。
ところが「ジョッキー」という言葉には別の意味がありまして…
本来のジョッキーとはJOCKEYと書き、
今では騎手などの「馬に乗る人」という意味。
これは英語圏に多い名前である「JACK」のアイルランド訛りである「JOCK」が語源らしく…
馬を売買するアイルランド人に声をかける際、
「HEY,JOCK !」と声をかける事からJOCKEYになったのだそうです。
(「HI,JACK」がハイジャックの語源と同じですね)
馬を操る人の事をJOCKEYという様になり…
その後「何かを操る人」の事もJOCKEYという様になります。
例えば…
DISK(つまりレコード)で客を踊らせる人の事をDISK JOCKEY、
つまりDJ(ディー・ジェイ)になったり。
また、アメリカでは「(女性に)馬乗りになって動かす」という意味合いでJOCKEY=女たらし、という隠語になったり。
つまりジョッキージャケットとは、
「女たらしが好んで着るジャケット」という意味合いもあるそうです。
そんな意味深なジャケット、袖口もいちいちオシャレ。
我々アパレルの言葉では「本開き(ほんあき)」と言いますが…
スーツ好きなオシャレさんは「本切羽」と言ったりします。
本来はオーダースーツにだけ用いられるディテール。
一番外側のボタンだけ1つ外して着たりすると色っぽい。
こんな部分にも「ジョッキー」らしさを出してみました。
なので、同様にベストもジョッキースタイル。
大きなカーヴが色気たっぷり。
後ろ身頃に付く尾錠も、
こんなにクラシック。
クロムニッケルの外枠にカッパーの針芯。
1900年代頃に存在していたアンティークなデザイン。
ボトムのトラウザーズもクラシック。
前合わせには艶消しブラックの金属フック、
リベットで頑丈に打ち込まれております。
両玉縁のコインポケットも、
丁寧な作り。
内側スレーキはベルト裏をグルリと覆ってあり、
サスペンダーボタンを装備。
ピスポケットは右側のみ、
これは1920年代くらいまでのデザイン。
両端に届きそうなバックストラップもクラシック。
ハイバックなデザインで、
後ろセンターはV字型に切り込みが入っています。
代官山のジョッキーこと、マッキーが3ピースで着てみました。
クラシック且つカジュアルで、
現代の馬であるバイクシーンでも活躍間違い無し。
遅くなっちゃった納期で申し訳ありませんが、
こんな3ピースセット、
いつも買える物じゃないです。
サイズが揃っているうちに。
お早めに。
ウチの庭の桜。
もう蕾がうっすらと赤みがかってきました。
春はもうすぐ。